淡くたちこむ 気だるい薫りが
忘れていた思い 呼び覚まして
甘く降り続く 薄紫の花弁を
そっと、そっと濡らす・・・
遠くの空から 降り注ぐ雨が
土煙を上げ むせ返るように
足元に迫る 棘は無情に
優しい痛みを 連れ去る
強く打たれる儘に 叩きのめされる様に
薄れていく記憶に もう
「澱んだ空から 打ちつける雫を享け」
激しく煙る 鈍色の雨
忘れたい記憶 忘られぬ過去
全てを揺さ振り 洗い流しては
影の無い君は 囁く
君と生んだ痛みも このまま消えてしまう
花は地に落ち 思いは涸れ果て
雨は残酷なまでに僕を優しくいたわり
進むことも戻ることも出来ない・・・
たただ融けてえることを願う
そして この雨とともに流れて・・・
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